まあ、そんなに時間が経っていれば、初めてと大差ないでしょうけど・・・ 川汲峠林道初走行という事で、私の林道メモ同様、詳細な御報告。
蛾眉野町から川汲トンネルの上を通り、台場山へ通じる林道が地図上にある。今までこの林道とは縁が無かったようで一度も訪れた事がありません。今回は、その林道を走ってみる事にしました。予想は廃道状態で、通行量は皆無。その上、川汲トンネルまでは分岐だらけ・・・国土地理院の地図を何度見返しても覚えられないぐらいの分岐なんです。
地図を持参して走るとはいえ、地図に無い林道が現れれば、地形図とニラメッコ。これは地味に疲れる作業だったりしますが、現在はGPSがあるからその心配がないってのはありがたい。『地図』


@まずは蛾眉野町へ向い、いつもの温川前の林道へ入ります。午前中が雨だったため、林道は水溜りが多く、あまり良くない感じ。


A糸川林道と常五郎林道の分岐到着。ここを起点にしましょうか。(道道からここまでは2.8km)常五郎林道の赤い橋を渡る。


B0.8km右手に糸川支線林道。毎年山菜採りに来ています。C白い橋(緑風橋)を渡ってすぐに分岐。禁漁河川だけど、遠くに釣り人がいた。

日差しが強くなって少し暑い。 D1.2km地点のこの分岐は直進でも左折でも同じ、また合流します。


私は地面にピンクテープで矢印が書かれていたので左折してみた。Eこの辺りは急な上りが続き、林道は所々クラックが入っているけど、十分走行可能です。


ここまでは四駆の四輪車なら楽勝でしょう。 F高度が上がってきたから見通しも良く、なかなか快適な林道走行です。『地図』


遠くには函館山も見えていた。景色が良くても相変わらずスズメバチが五月蝿くて、マッタリは出来ないんです。いつのも事ですが、私に寄って来ると言うよりバイク目掛けてやって来てる。


G4.6km地点、右手に分岐。ここがD林道との合流地点。H6.4km地点、ここは左。直進すれば毛無山と三枚岳近くを通って蛾眉野町へ戻ります。
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ここまでは比較的楽しく走れたけど、林道の雑草が増えてきたし、高度が上がってガスに突入しそうな感じ。 半分近く来たけど、これからが本番でしょう。6.4km地点を左折した辺りから、雰囲気が変わった。 何度も林道や廃道を走ると、雰囲気というか空気の違いを何となく感じ取れるみたい。 |
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@相変わらず、林道自体は西側が開けて絶景ポイントが多いのですが、やっぱりどこかが違う。前方にガスがかかっていて、これから突入する不安でもありません。誰かに見られているような、得体の知れない感じなんです。 こういう場所は早く通り過ぎたいけど、出遭い頭事故は御免被りたいから最微速で前進します。 現在の速度は10kmちょっと。 スピードメータの針がやっと動く程度の鈍亀(ドンガメ)状態であります。そういえば、この鈍亀って言葉は第二次世界大戦中の潜水艦の俗称なんです。当時の潜水艦というのは、今の潜水艦みたいに20ノット(1ノット=1.852km)とか30ノット以上の速度など夢のまた夢で、出せるのはぜいぜい7ノット程度でしたから、それを当時の潜水艦乗りが自嘲して呼んだのです。 間違っても★ちえみのスッチャデス物語で出てきた『のろまな亀』とは違いますからね。 |


林道は、この通り明るいでしょう?でも、誰かに見られている・・・嫌な感じ・・・
風が出てきたみたいで、雲の流れが早くなってきた。おかげでガスは気になる程ではありません。
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それよりも路面に時々現れる深さ20cmほどの水溜りの方に気を使いながら前進。 GPSでは、6.4km地点の分岐から次の分岐まで9.2km。 つまり2.8km先に分岐があると教えてくれていますが、この2.8kmがメチャクチャ長い。 速度は最微速(10〜15km)だから、単純計算すると写真撮り停車時間を含め15分くらいなのですが・・・ |


A9.2km地点、やっと前方に分岐が現れました。う〜ん・・・この先ガスで真っ白かな?9.2km地点の分岐を過ぎると、辺りの様子が一変した。一面、刈り払った笹だらけの道。『地図』
@今までも刈り払い跡を走っていましたが、ここはネマガリダケ(チシマ笹)を刈った跡。これ、パンクしやすいんです。
草刈用の作業車で一気にネマガリダケを刈った跡というのは、地面に竹槍が置かれているのと同じ状態なのですから・・・パンクしないように走るには、ネマガリダケが生えているワダチの上を走られない。なので、道の真ん中を走るのだけど、ここは草ボウボウの箇所が多い。走りづらいったらありません。
ここも最徐行で路面の様子を見ながらトコトコと進む。まあ、刈り払ってくれているんですから文句は言えませんがね。何もしていなければ完全な廃道ですから、いくら物好きな私でも、こんな道を何キロも走りたくありません。


A10.9km地点の分岐、ここは左折、地図によると直進はすべて行き止まりのはず。この辺りで、さっきまでの誰かに見られている感じが無くなった・・・何だったんでしょう。相変わらずTWの速度は10kmちょっとで、全然距離を稼げません。
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おっと、目前にアオダイショウを発見して急ブレーキ・・・したけど間に合わなかった。オダイショウを踏んだ状態で止まったら大変でそのまま再度アクセルを開けて通過しちゃう。アオダイショウは藪へ消えたから大丈夫だったみたい。


B11.8km地点、画像では分かりにくいですが、右側から鋭角に分岐があります。この辺りは、なんだか山賊でも出てきそうな雰囲気でチョット好き?


C12.3km地点、ここの分岐は廃道状態です。D13.5km地点、GPSではこの辺りが川汲トンネルの真上だと教えてくれる。
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画像では良く分かりませんが、ほんの少しだけ道道83号線が見えているから間違いないでしょう。それにしてもGPSってのは便利な道具です。 GPSにコースを教えてもらえば間違える事もないし、おまけに距離も高度も分かる。今まで大航海時代みたいに地図とにらめっこして三角測量していた手間がありません。 しかも、今日みたいに時々ガスがかかっているような時は、見通しも悪いから測量などできませんからね。何処がトンネル上かなど、全くの勘に頼るしかないわけであります。 |
林道事態は崩落や落石も無く、あるのは細い倒木程度で、ジムニークラスなら十分に走れそうな林道なのになぜか大変だった。誰かに見られている感じ、そして刈り払後の林道によるパンクの恐怖なのでしょう。ここもクモの巣が多く、何度もTWを止めてクモの巣取りもしたし・・・


Eいきなり人口的なコンクリート製法面(のりめん)が現れた。@やっと、まともな道に出ました。

ここは5年前に一度訪れていましたが、当時より簡易舗装の路面は荒れていた。


このカーブを右に行くとNTTのアンテナ基地に通じており、左へ行くと台場山方向。こんな所から出てきたんです。舗装路から見れば廃道感いっぱいです。林道出口には、川汲峠林道の標識があったが経年変化のため読みづらくなっていた。この簡易舗装を右に行けばNTT中継局へ出て行き止まりのはず・・・一応、行ってみますか。


A中継局のアンテナはガスの中だった。戻って台場山方向へ行きましょう。


B数百メートルで台場山登山口入り口へ通じる笹小屋林道と川汲旧山道との分岐到着。この川汲旧山道は、川汲トンネルが出来る前まで自動車も走っていた道でしたが、今は完全な廃道です。途中崩落箇所もあるはずでバイクでの通行は無理。おそらく歩く人も皆無と思われる。笹小屋林道から台場山方向へ向かってみます。
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台場山登山口到着。 ここ台場山は、明治維新[1868年(明治元年)10月24日]箱館戦争の古戦場として有名な山で、旧幕府榎本軍が森町(鷲の木)に上陸し、新選組副長・土方歳三率いる約400人が海岸線を北上して川汲に到着。そして川汲峠で官軍の兵へ土方軍の小隊で夜襲をかけ山頂を占拠した。(実際は攻撃に驚いた官軍は、すぐに敗走したらしい) それよりも土方軍を悩ませたのは、川汲峠の急傾斜を重い大砲を引いて登る事と海から吹きつける寒風だったそうで、土方軍は川汲温泉で暖をとり、その後、上湯川を経て五稜郭無血入城という歴史がある山なのです。 ここから山頂まで標高差40m程、バイク装備でも楽勝そうだから登ってみます。 |


土曜日なのに誰もいません。最近、人が訪れた気配もない。今日はこれを持ってきたんですが、ハンドベルが野山に鳴り響く様は、難聴になりそうなぐらい五月蝿いったらない!こりゃ〜徒歩なら過剰装備だわ。


5分ほどで台場山山頂(485m)到着。ここに砲台があったわけね。当時の大砲って射程距離が2km前後だけど峠を登る敵軍に対しては十分な効果はあるでしょう。山頂からは函館山や矢別ダム湖も遠望でき、なかなかの景色。
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ガスがかかっていなければ、もっと良い景色だったでしょう、 さて、これから笹小屋林道を通って矢別ダムへ抜けようかとも思ったけど、少々時間が足りません。 ここはあっさりと、NTT中継局のメンテ道路を通り道道83号線へ出る事にした。ただし、出口にはゲートがあって一般車侵入禁止と書かれているんです。 私は蛾眉野から入ったので、出口で初めてのゲート抜けをするわけだから・・・まっ、いいか? ここから道道へ出るまで簡易舗装が続いているから楽かと思えばさにあらず。 |


道全体が苔むして滑るんです。これまた最徐行で下りて行く。栗が落ちていた・・・もう秋なんだね〜

C出口のゲートが見えて来ました。
誰にも見られないようにしてコソッとゲートの脇を抜け、我が家へ向かうのでした。
おわり
あとがき
今回、初めて川汲峠林道を探訪しましたが、蛾眉野町界隈から台場山まで沢山の林道が通じていた。有り難い事に草刈のメンテもされており、通行量こそ少ないとはいえ廃道ではありません。
この界隈・・・もう少し探訪しても良さそうです。