悲別ツーリング

 今年一発目の遠洋航海は、一昨年から続いている炭坑町探訪シリーズ?の第3弾、歌志内市と上砂川町です。ここは、ご存知の通り倉本聰氏脚本のテレビドラマ『昨日、悲別で』のロケ地となった架空の町『悲別』でしたね。夕張も美唄もそうだったが、廃坑跡や往時を偲ばせる建物は、諸般の事情で写真を撮れません。なので、撮った写真の殆どが、悲別の聖地探訪写真みたいになってしまいました。 というわけでお話を始めましょう。

 いつものように出発は1:00、予定では悲別まで約350kmなので、所要時間約7時間、帰路も7時間、探訪に3時間として合計17時間です。

 日が長くなってるから黒松内で空が白んできました。黒松内付近の気温が0℃前後ですから、装備の関係で真冬の走行より寒いぐらいです。 その後、気温が一桁まで上がり、余市のセルフで給油、あとはノンストップで歌志内到着(右上画像)ですがね、どこの炭坑町も同じ感じです。


 すぐに視界に入ったのが、北海道で5つあるループ橋の1つ焼山ループであります。ここを通れば意味なく全道のループ橋制覇となるので渡ろうと思ったら、通行止めの標識があった。が、標識が横にずれてるから通って良いと勝手に判断して通ります。


 ループ橋ってのは、飛行機の離陸みたいな感じがして地味に好きであります。 大地震だけは橋を渡ってる時に来て欲しくありませんけどね。


 歌志内市街地に入ると・・・高い建物がなく日本最小の市(令和4年時点で3000人弱)なので納得です。ちなみに往時の昭和23年時は、人口46000人だったそうです。そして、市街地を過ぎると、すぐに目に入ったのが悲別ロマン座。 正式名称は「旧上歌会館(きゅうかみうたかいかん)」で旧住友上歌志内抗の職員厚生施設(映画館)として建てられた建物で、1977年公開の「幸せの黄色いハンカチ」のロケ地にもなっています。


 ドラマ『昨日、悲別で」の放送をきっかけに1985年より市内の有志により保存活動が始まったそうです。残念ながら「やってない」と看板が出てました。


 ロマン座は、当時は二棟が繋がっていたのでしょう。今は真っ二つになっていて、後ろ側がステージのようでした。と、悲別ロマン座の現状を書けばそれまでなんですがね。ドラマが放映されたのは38年前(1984年)です。その頃は、私も若者でしたから当時の事を想い出すと感慨深いものがありました。


 続きまして神威岳(かもいだけ)スキー場から伸びる舗装路で、神威岳山頂から歌志内市を一望しようと思ったら、残念ながら残雪のため通行止めでした。


 その後、炭坑の遺構をあちこち見て回りましたが、例によって諸般の事情で写真は無し。左上の画像をご覧頂くと判りますが、人の住む建物よりお墓ばかり目に留まりました。そして上砂川町に入って悲別駅到着。


 悲別駅の正式名称は、上砂川駅ですね。1994年に上砂川支線の廃線に伴いこの駅も廃駅となりました。ここもドラマに何度か登場した駅であり、1981年に公開された映画『駅 STATION』でもロケに使われていました。では、中に入ってみましょう。「あいてるよ」と札が掛けられてますからね。


 誰もいないので、あずましく見学できます。あちこちにドラマのスナップが飾られており、2013年にリリースされた川野夏美さんのシングル「悲別」の写真も展示されてた。


 主人公の天宮良さんと石田えりさんも若いわ。 石田えりさんで今検索するとライザップばかりヒットするが、当時はかなり若くて可愛い。ドラマでは『オッパイ』というあだ名でした。ここでもまた、当時の事を想い出し、一人ベンチに座ってました。


 線路は、左上画像の道路の場所ですから、駅舎は移築されているそうです。 駅からハンターカブを撮った画像を見ると判るでしょ、何もないんです。


 離れた所に三井砂川炭坑立抗(1987閉鎖)です。1991年に財団法人宇宙環境利用推進センターが、700m以上にも及ぶ立抗を利用して無重力実験センターを開設したが2003年に閉鎖されてます。ここもドラマのバックに何度も出てました。もちろん当時は現役です。


 その後、炭坑の遺構見学ですが、写真はわずかです。 特に驚いたのが右上画像にチラッと見える三角の山ですが、まさにピラミッドかと思えるようなズリ山でした。この山は必見です。


 そして、上砂川炭鉱館の見学であります。 土日10:00〜16:00の開館で、丁度開館時間に到着したら、気さくな職員さん?館長さん?らしき人に案内され見学しました。


 規模としては、夕張石炭の歴史村の100分の1程度でありますが、展示品は同じような物だし、なにせ無料というのが素晴らしい。


 夕張同様、当時の炭住の生活なども少しだが見られるし、炭坑の様子も展示されていました。


 そして悲別ツーリングの最後が、パンケ歌志内川を渡る橋であります。 ここもドラマのロケに使われていました。来ればただの橋なんですけどね。探すのにホント苦労しました。場所は、焼山ループ橋をパンケ歌志内川方向へ向かうとある橋です。


 と書いておきますが、場所自体は間違いないと思うけど、橋の名前の名板がない無名の橋でした(確か平歌橋)

 あとがき 今回の悲別ツーリングは、函館発01:00 行き8:00、探訪2:30、帰り7:30 函館着18:00 走行距離約720kmでした。

おまけ、あまりにも炭坑の遺構写真を撮れませんでしたので、当時の航空写真(1977年)と現在のグーグル写真を載せて起きます。
   

 現在は、ただの山でも当時は炭住や炭坑と所狭しとありました。

 上砂川町は、現在鉄路廃止のために線路がないのと、建物の少なさに驚きました。


戻る   HOME   2022年04月29日 

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