2018金花湯

 先日、カブ90乗り(rz.koi)さんが来函され、島牧村の秘湯金花湯への林道が走行可能との情報を頂きました。その情報によると、一度目は単独で入湯され、二度目はジェベリスト777さんと行ったとの事でした。これには正直ビックリしました。なにせあの廃道が復活したとはにわかに信じられませんでしたが、カブ90乗りさんがカブで入湯を果たしたのは事実なので、これは行くしかないでしょう。

 さて、行くと決まったけど、12年ぶりに行く金花湯です。プーさんの落とし物だらけで、いつご本尊が現れるか分からない道を単独で約22kmも走るだけの気持ちが湧いてきませんでした。こうなれば、あれから12年の歳月により進化した外道装備であるブルートゥーススピーカーで聖子ちゃんやワーグナー、はたまたリトルリチャードなんかを鳴らしながら走る事にしました。

 問題はバイクです。クロスカブにしようか前回同様TWにしようか前日まで悩み、両車とも整備していました。で、結局金花湯への道は、所詮ドロドロ道なのは間違いないでしょうから、泥濘地能力に特化したTWを選びました。そして10月20日当日、3:00起床、4:00出発したのは良いけど、気温5℃を想定し、厚着しての走り出しに違和感があった。TWはクロスカブと違い厚着して乗った事があまりないので操作性が悪いんです。これだと金花湯の林道で、体の動きが悪いために何か良からぬ事が起きそうな気がします。それで、出発してわずか10分、急きょクロスカブに乗換える事にした。まるでミッドウェー海戦の空母艦載機みたいだが、この選択をしました。結局、出発が5:00となり、足の遅いクロスカブなので現着が8:30。

   
 まずは宮内温泉側から千走線に入ります。


 久しぶりに走る千走線ですが、ここの舗装も大分老朽化して未舗装と変わらぬ部分も出て来ています。昔は立派な舗装路だったのですけどね。しかも、ここで早くも落とし物が3個ばかりありました。少し古い4個目の落とし物を撮って足でツンツンしてみたら、なんと人間の落とし物じゃありませんか。ったく、長靴に付いた落とし物をノッタくってエンガチョしたわ。


 ハイ、起点到着しました。ここで林道走行の準備をしていたら大変なミスを犯してたんです。500ccのコーヒーとお茶は持って来てたが、途中で買うはずの水1リットルを買い忘れてました。基本、順調に行けば水は不要だけど、持たないのは精神衛生上良くないから、街まで下りて買いましたよ。これで出発が遅れてしまい、起点(地図@)出発が9:40と相成りました。


一応、簡単な地図を作っておきましたが、前回と若干距離表示が違うのはご承知おき下さい。前回は、TWのトリップメーターで距離を測り、今回はGPSで距離を測っています。


 起点からは、前回同様普通の林道状態で、クロスカブどころかロードバイクでも十分走れる?状態です。


 そして、起点より4km弱のスナフジ沼分岐到着。2009年に探訪したスナフジ沼線が情報通り完全な廃道になっていた。


 余裕が出てきたので、紅葉を楽しみながらの走行も可能です。


 そこで、口に入ったカメムシを食べるという事件が発生した他は、重要左折ポイントである5.5km地点(地図A)の神威山北周りルートへ。


 まだまだクロスカブでも余裕で走られるけど、やっぱり少し遅いし、こぶし大の石があるとTWみたいに走れません。これは致し方ありませんね。


 所々路面が軽く崩落しているポイントがありますが、ここは以前から崩落を起こしやすい場所でした。


 いえね、こうして走っているけど、まだ金花湯へ行くって気分じゃないんですよ。どちらかといえば大船松倉林道を散歩する程度の心構えしかありません。だから道の向こうに木の切り株なんかがあるとプーさんと思って停車して確認したりしてますので。


 神威山北回りルートを過ぎる頃、林道補修跡がまた崩落を始めてる箇所がありました。そして南回りルートと合流しますが、南回りルートは完全に廃道で大人の腕程の木が生えてました。


 前回は、その先に大石が落ちていて、そこからシングルトラックだったけど、今はダブルトラックで楽々走行可能です。


 そして、かの有名な?約13.7km地点(地図B)のコイの口橋到着です。ここから橋の色が黄→赤→白と続きます。もっとも橋が錆びてよく色が分からなかったけどね。


 もうね、紅葉が綺麗のなんのって。見事なんです。約15.3km地点(地図C)泊川大橋からの紅葉が一番綺麗でした。そこから地味にジメジメ道が多くなってきた。


 泊川大橋の紅葉を楽しみ、その先へ進むとUターンカーブがすぐに現れます。ここが完全に自然に帰り廃道となった泊川からの林道跡です。


 泊川大橋を過ぎると、最後の小金井沢橋となりますが、段々ネチョネチョ道の割合が多くなってきます。


 そして小金井沢橋到着(地図D)前回もそうでしたし、情報通りここから道が険しくなってきました。それでもクロスカブだからって事ですけどね。TWなら普通に通られる程度の道です。


 そして金花湯道中での一番のポイントである約17.1km地点バカ殿岩到着(地図E)、画像で分かりますか?鬱蒼として良く分からない感じになっていますが、現地で実際に見ればバカ殿岩と分かります。


 そして情報通り、ここからの約5km弱が一番の山場だった。バカ殿岩を左折すれば、上りのガレ場で軽い小川状態です。これは前回と変わっていません。違うのは、シングルトラックがダブルになっているのでライン取りが出来る事です。200mほどでガレ場が終わり、お次は落ち葉のじゅうたんの地雷原です。落ち葉の下にこぶし大の石や木が隠れているので、ゆっくり走っていても地雷を踏んでオットトします。


 挙句の果てには、チェンジペダルとステップに木が挟まって蹴っても取れず、ノコギリで切断する始末。道はウネウネクネクネ道だし前回ほどじゃないにしろ気を抜けません。


 と思っていたら、正面から先に入湯したジムニーさんがやってきた。(画像はドライブレコーダー)ドライバーさんは、私より一回り以上若い男性で、隣に奥さん?を乗せていました。湯船横までジムニーで行ったそうです。ちなみに私、最初から小金井沢を渡河するつもりはありませんので、手前に停める予定です。


 そして、左上画像が、前回の大崩落地点ですけど、きれいに直されていてビックリ。ここを通るのにしばらく下見や心の準備がありましたからね。今はスルッと通過しておしまいです。ここから小金井沢(地図F)まで約800mですが、クロスカブでは荷の重い、小川状態の下りのガレ場でした。オフロードバイクなら問題ないですけど、最低地上高の低いカブだと地味に苦労します。


 そしていよいよ小金井沢が見える地点まで来ました。正直なところ、出来ればクロスカブで湯船横まで行きたかったが、川直下が黒土の泥んこで、バレーボール大の石がゴロゴロしていますから止めときます。TWだったら・・・行っちゃったでしょう。ここにクロスカブを置いて、私だけ渡河しましょう。でね、渡河したら長靴から水が染みてきて冷たいのなんのって・・・原因はすぐに分かりました。先ほどクロスカブのチェンジペダルに挟まった木を取ろうとして、長靴で蹴っ飛ばした時、ビリッと変な音がしてたんです。どうやらそれみたい。金花湯への道は足が濡れないから良いとして、川沿いにある湯船等は止めときましょう。なにせ、ここへ来る時の気温が4〜5℃でしたし、おそらく帰りもそのぐらいの気温が予想されます。長靴を履いてるとはいえ、濡れた足じゃ持ちませんからね。


 さて、足を濡らしての渡河後、前回の藪漕ぎ道がダブルトラックの遊歩道状態なので、鼻歌交じりで歩けます。記憶では湯船まで200m程度だと思ってたが、クロスカブを停めた地点から700mとGPSに出ていました。という事は、小金井沢を渡って金花湯まで400〜500mあるって事でした。とかなんとか言っても、すぐに地面がポッカリ開いた場所が見えて・・・


 金花湯到着です。 情報通り小型重機で掘られたみたいで、湯船横には廃土がありました。


 残念なのが、崖際の湯船がスケールで埋まっていた事ですかね。ここに入った時は、怖いけど絶景でありましたので。それでは、12年ぶりに黒ウサギさんの記念撮影ね。ここで30分程入浴後、軽く食事をしました。


 それでは、12年前じゃ考えられなかった文明の利器である偵察機発進。あの当時、私のコンデジだと36枚程度しか写真を撮れませんでしたが、撮ろうと思えば今は数千枚だって撮れますからね。隔世の感があります。 それにしても紅葉が見事でした。


 そして、石灰華ドームと金花湯の位置関係も良く分かります。


 さて、お風呂も入ったし偵察機も飛ばしたから帰りましょう。先ほどジムニーが作ったであろうダブルトラックを辿り、小金井沢へ戻り、足をまた濡らし渡河します。


 クロスカブが待ってました。これからまた約22kmの帰路が待ってるが、道も分かったし写真撮りもないから1時間半程度で起点到着です。

 懐かしく12年ぶりに入湯した金花湯への道中も路面崩落が少し進んでました。来年は、クロスカブじゃ無理かも知れません。そしてTWでも再来年は無理かもと思いながら帰路についたのでした。 

 
 おまけの動画


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