宗谷ツーリング
 
 GWに行こうと思っていた宗谷ツーリングが悪天候のため中止になり、7月の連休でのリベンジも悪天候で中止でした。それで、夏至を回ると日も短くなるから来年のお楽しみにとっておこうと思っていました。しかし、7月28、29が連休となったので、これ幸いとばかりに行く事にした。当初の予定だったクロスカブだと休みなく走っても30時間かかります。これは時間がかかり過ぎるし、何かあった際に宿泊(ビバーク)する事が難しい感じでした。それではTWではどうかと考えてみると、24時間で行って帰って来る事が可能と思われた。なにせ19年も乗っているTWなので、おおよその平均時速は分かっていますからね。 

 しかし、一日(24時間)で宗谷往復約1250kmとなると、当然疲れるしお尻も痛くなる。その他、走行中にぶつかって来る虫や夜間走行におけるガソリンスタンド、霧、等々、地味に問題もあります。今回、一番の問題がガソリンスタンドでした。なにせ夜間営業しているGSは、石狩圏を抜けると留萌と稚内しかありませんでした。その上、24時間スタンドなら足の短いTW(航続距離約250km)でも何とかなるが、そのGSは、AM2:00〜AM4:00の2時間がお休みだった。予定では、仕事を終えた17:00に出発して、余市到着が21:30。ここで一回目の給油を行えば、留萌まで無給油です。そして、留萌で給油出来れば、次の稚内までの約180kmにGSがありません。丁度GSが休みの時間に辿り着く可能性があるので4L予備燃料の増槽タンクを持参する事にした。

 あとは、パンクも怖いから予備チューブと私自身の電池切れ対策のためテント等の宿泊用具も持参します。結局、TWを見ると長距離ツーリング仕様の出来上がりって感じ。というわけで、いわゆる弾丸ツーリングの部類に入るツーリングのはじまりはじまり。

   

 黒松内へ着くと日が暮れて来ました。ありがたい事に今日は月齢14なので、ほぼ満月だから暗いTWのライトでも何とかなるのも予定通り。


 無心でトットト走り、予定通り余市で給油して進みます。想定内と言いながら虫アタックが凄い。ほぼ50km毎に小休止兼ヘルメットのシールドの虫取りを道の駅や海水浴場トイレで行いながら進む。 日付が変わり、1:00に留萌で給油、苫前から先は30数年ぶりなんですが、当時とは全然道が違う感じだし、ましてや夜なので、どこを走ってるのかよく分かりません。ちなみに宗谷へは、20歳の夏に一回来て、22歳の冬にカブで宗谷岬へ一回来ています。


 途中、心が折れたら引き返そうと思っていたが、全く折れないし眠くもなりません。気が付けば4:15稚内市の国道シェルター到着。今はこんな物が出来てたのには驚いた。そのまま稚内市を抜けて、まずは宗谷岬を目指します。記憶が薄れてるから、こういう景色だったのを忘れてた。


 稚内市から宗谷岬は30km程度なので、ほとんど目と鼻の先にあります。正面に宗谷岬が見えて来ました。宗谷岬の前に間宮林蔵渡航の地碑があったのでTWを停めてパチリ。


 4:50宗谷岬到着です。函館からTWのトリップメーターは約580kmを指していた。ここでチェーンに注油して、チェーンの伸びをチェックしたが、函館まで持ちそうなのでチェーンは張りません。今回は奮発して、いつも入れてるホンダG1オイルじゃなくG3を入れて、丁度プラグ交換時期だったからイリジウムプラグにしてみたら、今までTWに19年乗って最高燃費が38km/Lだったのに40km/Lも走った。オイルが良かったのかプラグが良かったのか、それとも信号機が殆どない道が良かったのか分かりませんが、間違いなく最長燃費が出た。


 宗谷岬・・・いわゆるライダーの聖地巡礼場所です。そういえば聖地巡礼なる言葉、最近よく聞くが、おそらく冬ソナ辺りから使われる言葉だったのではないでしょうか。当時そんな言葉はなく、最北端の地と言っていただけですからね。そしてここには間宮林蔵の像もあります。ご存知の方はご存知だし、ご存じない方は興味ないでしょうから書きませんが、伊能忠敬と同時期に活躍された探検家です。今じゃこうしてバイクや車で来られますが、当時は二本の足か馬でしょうから、その苦労は尋常じゃなかったと思うけど、達成感も尋常じゃなかったはずです。憶測に過ぎませんが、充実した人生だったと思いますね。


 宗谷岬見学を終えて、宗谷岬の上にある宗谷公園へ行ってみます。


 ここは、宗谷岬の丘陵にある公園で、そこには旧海軍楼がありました。これ、WW2の物ではなく日露戦争当時の物です。


 そして鶴の形をしたモニュメントは、大韓航空機撃墜事件の犠牲者を慰霊するために設けられた施設との説明文がありました。


 つづきまして宗谷丘陵を少し走ってみましょう。風車とレーダーと丘陵が広がる道南には無い風景でした。


 次にベタな観光スポット(時間がないからベタな場所しか回れません)白い貝殻の道です。そして、稚内市へ戻り、ノシャップ岬到着。そばにはノシャップ寒流水族館。


 ここ、宗谷岬ほど人がいません。山側には自衛隊のレーダーサイトがありました。おそらくここのレーダーで大韓航空機も捉えていたのでしょう。


 さて、ここからオロロンラインを通って函館へ向かいます。道東の原野もそうだが、サロベツ原野も北海道感最高です。


 牧草ロールなんて見慣れていますが、青い空と緑の草原、うっすらと利尻富士が見え、そして白い牧草ロールのコントラストが素晴らしい。


 地平線だらけの道を進むと、吹雪対策のシェルタートンネルが現れて、その奥左側にうっすらと見えてきたのがオトンルイ風力発電所です。


 2003年完成との事ですから、当時はありませんでした。高さおよそ100m、直径50mの風車が28基、約3.1kmにわたって一直線に連なっている様は圧巻であります。人工物とはいえ、今回これが私の目玉でした。


 はい、ここでウサギさんに出てもらいましょう。現在時刻8:00ちょうど、あとは函館までまっしぐら。


 晴天のオロロンラインを楽しみながら函館へ向かったのでした。

 あとがき  帰路に小樽市でお祭りの渋滞にぶつかり、予定の24時間を30分オーバーして約1250kmの距離を24時間半で走りました。その間、テンションがあまりにも高く、仕事後の出発にも関わらず、妖怪オネムに襲われなかったので楽しく走る事が出来ました。だからってまた行けるかと言えばそれは無理です。ここまで士気が上がるには、何度も悪天候で中止となり、ストレス満タンじゃなければ出来なかったと思います。


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