十和田下北ツーリング(1日目)

 先日、現在運航中の函館⇔大間を結ぶフェリー大函丸を調べていた事を外伝で書きました。それが自分の中で膨らみ、スマートチェックインや運行料金、時刻表などを調べたら、10/7〜8なら十和田や恐山へ行けそうなので実行してみる事にした。工程は、7日0:30函館発、4:10青森着のフェリーに乗り、帰路は、8日14:10大間発、15:40函館着の大函丸に乗船します。

   

一応、トラックログは上記の通りで、初日は青森から八甲田山⇒奥入瀬渓流⇒十和田湖⇒三戸町蛇沼荒田カラクリ人形の里バッタリ村⇒小川原湖見学⇒六ヶ所村⇒石ケ森砂丘⇒尻屋崎⇒むつ矢立温泉バンガロー泊。 二日目は、矢立温泉⇒屏風山展望台⇒恐山参拝⇒薬研温泉キャンプ場見学⇒大間フェリーターミナルです。そして、左上地図の『ここ』部分が右上地図で、×印が県道と農道を走り継ぎ到着した三戸町蛇沼荒田カラクリ人形の里バッタリ村です。それでは、お話を始めましょう。


10/6日23:30フェリーターミナル到着です。出航の一時間前に到着しましたが、バイクは40分前に乗船手続きを済ませて下さいという事だから、家が近い私は良いとしても、長距離を走って来る人ならギリギリなのかも知れません。ターミナルの中は閑散としており、乗船率は4割程度って印象でした。バイクは7台ぐらい乗船してます。30年ぶりにフェリーに乗って驚いたのが、ディーゼルスメルが殆どない事です。要するに車両デッキも客室内もディーゼル臭くありません。で、思ったのが船自体の空調もあるけど、自動車から出る排気ガスが臭くないからなんでしょうね。なんだか隔世の感がありました。


私の乗ったスタンダードクラスの船内がこれ。ここは昔と変わってなかったが、フェリーがスラスターをかける時以外、嫌な振動もあまり感じず快適です。もちろんエントランスも充実してます。ちょっと高めだけど自販機食堂もありました。 今の夜の便はデッキに出られないそうなので、到着までひたすら寝るだけです。一応、船が着いても寝てた事があるので、目覚ましを掛けておいたが、到着20分前になったらアナウンスが流れたから、要らぬ心配でした。


さて、青森に到着したのは良いけれど、曇りの天気予報が悪い方にはずれて雨だった。アスパムやらを見つつ、国道103号線に乗って十和田湖を目指します。


青森発が4:25頃で、途中コンビニで朝食を買い、しばらく走るが明るくなりません。岩木山展望台は真っ暗です。雲谷(もや)峠や萱野茶屋を過ぎた頃、遠くに八甲田山がぼんやり見え始めた。ここを最後に通ったのが30年前だから、道幅が以前より広くなっていたが、峠が近づいてくると道幅も当時と同じで、きついアールのカーブばかりです。


萱野茶屋を過ぎ、次の分岐を左折すると雪中行軍遭難者銅像がある銅像茶屋が見えてきました。ここにクロスカブを停めて、徒歩5分ほどの所にある銅像見学に行きますけど、出るって噂があります。雨の中カッパを着て歩くから暑いったらありません。


やっと見えて来ました。 まだ暗いからフラッシュを焚いて撮影します。 しかしなんだわ、この時間に来るのは良くなかったかもね。正直なところ、見学気分より肝試しみたいなもんですから。だって、ずっと誰かに見られてましたのでね。写真を撮ったら早々に退散します。


また国道103に戻り、営業前の八甲田ロープウェーを見て、酸ヶ湯温泉到着です。雨のおかげで暖かく、多少の寒さは覚悟してたが、10℃もあって助かります。


そして、この峠の最高点である(1040m)笠松峠到着。あとは、ほぼ下りです。


八甲田山界隈は、紅葉が綺麗なんですけどね。生憎の雨なので残念な感じでした。高度が下がってくると、まだ紅葉してない緑のトンネルの中を通ります。


奥入瀬渓流近くまで来ると、蔦(つた)温泉が見えてきて、その少し先にある大町桂月先生のお墓を見学(お参り)します。大町先生といえば、奥入瀬渓流を、『住まば日の本 遊ばば十和田 歩きゃ奥入瀬三里半』と歌い、恐山を『恐山心と 見ゆる湖を 固める見ての 蓮花なりけり』と歌っています。


相変わらず雨が降ってますが、すっかり明るくなったので奥入瀬渓流を楽しみましょう。 予定では、青森から十和田湖まで2時間ちょっとを予定していましたが、この界隈の道が急カーブばかりで全然距離がはかどりません。北海道ならアールのきついカーブでも一定のアールが多いけど、40Rから20Rに変わるカーブとか、20Rかと思えば30Rになり、その後40Rになるなんていう複合カーブばかりの上、勾配が20%以上ありそうなカーブもあります。丁度函館山登山道みたいな道路と書けば知ってる人なら分かるでしょう。そして、こんな感じの道が、この先の国道にも普通にあると、あとで分かるんですけどね。


雨でモヤッとした感じの景色なので、普通に撮ると私の見た印象通りじゃありませんから、少しデフォルメした画像にします。


奥入瀬渓流は、どこの渓流でも見られる景色だから、大した事ないと思っていたが、道路沿いにこれだけの景色が広がる渓流は少ないかも知れないと思います。大町先生が絶賛しただけの事はあります。


奥入瀬三里半を楽しんだ後、十和田湖が見えて来ましたがモヤの中だった。瞰湖台(かんこだい)到着。ここは、国道103(旧道)沿いにあり、雨のおかげで独り占めでした。


まあ、今日の景色はイマイチだし、ここは旧道なので道路に落ち葉が敷き詰められて徐行運転を強いられるから、予定時間をオーバーしてしまいますが、この場所は押さえておかないといけません。


落ち葉で滑る路面をオズオズ走り休屋到着。すぐに乙女の像見学です。私の記憶が間違ってなければ、高村光太郎が作ったこの像は、最初、十和田湖の湖底に置くはずだったらしい像で、それじゃ誰も見る事が出来ないから、ここに置く事にしたそうです。


休屋を後にして、次が本日のメインといえる三戸町蛇沼荒田カラクリ人形の里バッタリ村へ向かいます。迷ケ平(まよがたい)とか見慣れない珍地名がいっぱいあるし、川の名前がアイヌ語じゃなく、日本語なので北海道じゃないと感じます。国道454の目茶苦茶九十九折れ道で更に予定が遅れ、地味に疲れたから「道の駅しんごう」で小休止です。ちなみに、道中にある駐車場的な場所には東屋があるから雨をしのげるのが有難い。国道454から県道218へ入り、バッタリ村へ向かいますが、この道は工事中なので、すぐに左折して広域農道を走り、また県道218へ戻る。


道なりに走り、滝沢向という所で右折します。こういう農村地帯を走ると、北海道ではドーンとした景色だが、猫の額みたいな場所も立派な水田になってるし、畑として使っています。まさに日本の原風景でした。


そして、千俵山という所で左折して、さらにその先を左折しますが、スマホのカーナビが圏外になり役立たずになってしまったので、私の記憶と地形図だけが頼りになってしまった。


どうやら間違いじゃなかったようで、蛇沼荒田カラクリ人形の里バッタリ村到着です。 雨だからガラス戸を閉められていたけど、休憩所を自由にお使い下さいと書かれているし、カラクリ人形さん達も、しっかり水力?で動いてます。


いやはや、ここ最高だわ。写真じぁここの良さが伝わるか分かりませんが、ホッコリすると言うか、なんだか懐かしい気持ちにさせられます。記帳ノートがあるから、その旨を書いておきました。


獅子脅しの様な感じで水が溜まり、その重さが動力源になって人形が動いてます。


道の反対側の池にも人形があるから見てみます。ダリアの向こう側に家が見えてますけど、こんな感じで、みんな茅葺屋根からトタン屋根に替えていた。


なんともイイ感じのカラクリ人形です。雨が降ってなければ、日がな一日見ていても飽きなさそうな気がします。こちらの動画はこれ。時間が押してるから15分程度の見学で次の予定地キリストの墓へ向かいましょう。


ここから国道454へ出るまで、しばらく農道を走ります。途中、道路脇の岩壁に掘られた穴が沢山ありました。昔は室(むろ)として使ってたのではないでしょうか?


こちらもいるんでしょうね。あちこちに熊注意の看板があります。 あいかわらずこんな道なので、スピードが出せません。


日本の原風景の中をカブで走られるのが最高なんですけどね。ずっとこの景色の中を走りたいぐらいです。県道45、218と走り継いで国道454へ戻ります。


国道454へ出る手前にあったのがこの看板。そしてすぐにキリストの墓駐車場到着です。誰もいませんけど・・・


案内板によると、ゴルゴダの丘で処刑されたのはキリストではなく、弟のイスキリだそうで、ここにはキリストとイスキリの墓があるそうです。約400m歩いてキリストの墓が見えて来ました。


階段を登ると、左がイスキリで右がキリストの墓なんだそうです。 う〜ん・・・都市伝説と同レベルのお話という事で・・・


国道454から国道4に乗り、そこから国道396で下北半島へ向け北上します。途中、十和田市で給油しましたが、流石に八甲田越えで燃費が60km/Lを少し切っていた。小川原湖を初めて見たが、かなり大きい汽水湖です。この界隈の町村は、原発や核燃料サイクル施設なんかがあるから、変な看板のお店があるのね。


道が整備されてるのも核のおかげみたいだから、なんとも遣る瀬無い感じです。


お次に見たかったのが鳥取砂丘の30倍とかいう、石ケ森砂丘ですが、殆ど自衛隊用地(射撃試験場)です。砂丘の端と端にある東通村、小田野沢地区と尻労(しっかり)地区から見る事が出来るらしいので、小田野沢漁港から見てみました。でも、長い砂浜って感じでよく分かりません。偵察機があれば見えそうですけどね。 


というわけで、次の目的地、猿が森ヒバ埋没林見学です。しかし、ここも誰もいない。東屋にクロスカブを停めて見てみましょうかね。


埋没林へ行く道は、この写真だと、ただの芝生に見えるが、芝が水を含んでグチョグチョ状態で歩けたもんじゃありません。遠くにある朽ち果てたヒバだけで満足しておきます。ここは次回だな?


さて、本日最後の見学予定地が尻屋崎の灯台です。手前には、三菱マテリアルや日鉄鉱業の大きな建物がありました。尻屋崎灯台へは、ゲートがあってバイクは押しボタンを押すとゲートが上がって通られました。


灯台に近づくと酷い風雨で、襟裳岬みたいな感じでしょうかね。この地の名物?寒立馬もいましたよ。道産子より太い感じの耐寒能力の高い馬だそうですが、品種改良して作ったのは人間ですから、なんだかね。


風が強くてあずましくないから尻屋崎灯台をパチリして早々に戻ります。天気が良ければ、青い空に白い灯台は最高だったでしょう。そして、予定より1時間遅れの16:00に本日の宿泊予定「むつ矢立温泉」到着。数日前までは、ここにあるキャンプ場で宿泊予定でしたが、クマが出たそうでキャンプ禁止となっており、その代り特別に1000円でバンガローを貸してもらえるので借りました。終日雨だったし、これでキャンプしたくありませんから丁度良かったって感じです。矢立温泉の受付でバンガロー代1000円を払い、翌日は6時に出発すると伝えたら、6時から温泉がオープンしてるので、その時バンガローのカギを返してもらえば良いそうです。それより早い時間なら、バンガローにカギを置いて帰ってもOKだって。


バンガローは4畳半ほどあり、私一人なら十分過ぎる広さだし、なんと温泉熱を利用した床暖の上、水道もあります。しかも照明もあるしコンセントも2個あるから、スマホやモバイルバッテリーの充電が出来るのでかなりお得でした。なにしろ暖かいからシュラフを使わず、そのまま床で寝てしまいましたからね。17:00に矢立温泉に入って(熱めのお湯)近くのスーパーで買ったおにぎりとお惣菜で、かなり質素な夕食です。翌日6:00出発予定ですが、21:00前に就寝、翌5:30まで爆睡しました。  本日の走行距離約350km

 2日目へつづく

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