雪中キャンプ3
 
 今期の雪中キャンプも3回目となりました。私としては、かなり積極的にキャンプへ行こうとしていたが、3回目でもう春です。それでも晩秋から数えると5回目のキャンプとなります。
   

 仕事が終わり、すぐ帰宅。キャンプ道具をメイトに積んで、出発準備をしていたら 「帰ったばかりで何処行っちゃうの」と『御萩さん』が言っていた。 「キャンプに行くから明日の朝帰るね」と、分かるはずもないけど、そう伝えてから出発。 今朝降った市内の雪は融けたが、林道は3cm程積もったまま融けていません。アイスバーンが隠れてるから、ブレーキをかけると見事にスパイクピンが氷を引っ掻きます。


 今時期は白い林道の方が気分がいいね。  と、若干の両足パタパタ走行もあったが、無事に現地到着。メイトを出口側に停めます。


 早速、テントを設営してキャンプ準備にとりかかります。天気予報は、雪の確立50%だったので、テントの上にツェルトのフライシートを張って、前室を広くしタープとして使えるようにしました。これなら雪が降っても七輪は使えますからね。 前回の焚き火跡を残しておいたが、残したといっても雪が融けた跡があるだけです。画像が小さくてよく分からないかも知れませんが、燃えカスや焦げた石は殆どありません。いえね、これは20年程前のキャンプブームの際、私の周りのキャンプ(アウトドア)好きで大論争になった事があるんです。

 それは、焚き火の功罪で、直火で焚き火をすると、周りの植物や土中の微生物を死滅させる事や、川原などでは、石を焦がしてその場を立ち去れば、次に来る人を不快な気持ちにする事等です。 だから、キャンプする際は、当時発売されたばかりの『焚き火台』なる物を使用してキャンプする事が、環境保護を考えたアウトドアマンの常識となるし、そうしなければいけないという意見です。

 そんなこんな言われたので、これからは『環境保護も考えないとダメなのか』と、思いましたよ。私は田舎者だから、子供の頃から八雲町の遊楽部川や支流の鉛川で泳いでました。泳いだら焚き火で温まってたので、川原で焚き火をする事に何の抵抗もありません。確かに焚き火後の焦げた石は、しばらくその場に残ります。しかし、当時は殆ど毎日同じ川で泳いでたし、他に人が来たとしても顔見知りばかりだから気にしてません。そんな考えの私にも“環境保護を考えて焚き火しなければいけない”と言われたわけです。たとえば、石を焦がして真っ黒にすれば、炭は1000年経っても残るから、墨で書かれた古文書は未だに残るだとか言われたりもした。 

 で?マークが出たんです。古文書を川原に置いたら1年も待たずに無くなると思うし、焦げて真っ黒になった石を部屋の中に置いたなら1000年以上そのままでしょう。しかし、川原の焦げた石は自然の浄化作用で綺麗になります。

 そこでまた考えた。私が子供の頃よく言われたのが『三尺流れれば水清し』って、ことわざがそれ。川には自然の浄化作用があって、三尺(約1m)流れれば水は綺麗になるという事です。しかし、それは昔の話であってブログ(赤線部)にも書いたが、今は人が多すぎるから、その浄化作用の許容を遥かに超えている事は確かでしょう。しかも、当時だって直接川にオシッコやウンチをするとバチが当たると言われてたし、ゴミを捨てても川や山の神様に怒られるって言われてたから、そんな事はしませんでしたけどね。焚き火の跡も、増水して流されなければ、泳ぐ事の出来た最終日に焦げた石を埋めて見えなくしてました。たまに、焚き火の跡をずっとそのままにしてた子供もいたが、次のシーズンにはどこが焚き火跡か分からなくなってたから、そんな事で目くじら立てるのは如何なものか?と、思ったりもした。

 結局、大論争はなかなか収まらず、焚き火台使用派は環境保護を考えた『善(真)のアウトドアマン?』みたいに私には見えましたけどね。 彼らに言わなかったが、アウトドアメーカーに踊らされていただけみたいにも見えた・・・  私は当時もカブや125ccのバイクでキャンプに行ってたけど、彼らはハイラックスサーフみたいな大きな4WD車で行ってたから、そっちの方がNOXの排出量からすれば環境破壊じゃなかろうかとも・・・ 結局環境破壊ってのは、焚き火の跡云々みたいな小さい事も大事かも知れないが、人が生きる事すべてがそれに繋がってると思いましたよ。

 メーカーが作って売り出した、その『焚き火台』が環境に優しいと言ったって、それ自体を作る事が環境破壊物質を僅かながらも生んでるでしょう。極論すれば、健康の為にジョギングしても酸素を使い二酸化炭素を多く出します。そして、お腹も空くからご飯も食べる。食べ物はすべて命で出来ているから、それを食べるという事になる。となると、それも環境破壊に繋がる。結局、どこにも行かず家でジッとしてるのが一番環境に優しい。もっと書くと人間自体の存在が環境に優しくないとなる。


まあ、そんな事があったから前回も前々回も、鉄板のお菓子容器を持って来て(どうでもいいけどね)焚き火してるんです。写真は前回のキャンプ時画像ですが、写真の『ここ→』をアップしてみますよ。


 焚き火の下にお菓子の缶ぶたが敷いてあるでしょ。 これで川原の石が焦げるのを防いでいるんです。というか、実際は雪上の焚き火なので、薪が消えないようにしてるのが一番の理由ですけどね。 七輪の方は、七輪に入るよう炭を小さく砕いた際に出た粉炭と、割りばし程度の木片を新聞紙に包んで七輪の上に置いて着火します。七輪の上に置いて着火するのがミソで、七輪の中に入れてしまうと新聞紙の燃えカスが残って空気を遮り、火が消えたりします。


今回の暖は備長炭なので、ミニ焚き火台を使いました。 用意をしていると暗くなってきた。


 ちなみにこの場所なんですが、かれこれ30年近くのお付き合いになります。当時はTL125でいつものように来てました。キャンプ地点の奥にも人家があって、そこの家と手前の家がこの付近の地主さんでした。当時の知識だから現在は分かりませんが、川でも土地所有権は地主さんにあるので、川原のキャンプも地主の承諾がなければダメらしいが、地主さん曰く、川(川原)ってのは、自分の土地であっても河川法なる法律の適用になるから好きに出来ないと言ってました。その代り、自分の土地の川が氾濫しても責任は、河川管理者である道や国だそうです。

 で、この場所の要注意事項は“増水”です。ここのすぐ上流には3本の川が合流しているので、今時期の雪融けや大雨が降ると1mぐらい増水してしまいます。今回も最近の暖気で雪融け水が流れたようで50cm程の増水跡がありました。持参してませんが、一人でキャンプする際の増水対策として、川に電極棒(A)を一本入れて、そこから水面上5〜10cm程にもう一本電極棒(B)を設置した『増水感知センサー』を作って設置してます。川の水が増水すれば、電極棒(B)が水に浸かり電極棒(A⇔B)が導通してブザーを鳴らして夜間でも増水を教えてくれます。別に電極棒式じゃなくてもフロート式でも良いし、常時点検するなら木に目印を付けて川に刺して置くだけで良いかもしれませんけどね。更に、お金を使う気があれば、お風呂の満水ブザーを流用する手もある。1500円〜8000円ぐらいの物まで沢山あります。


 さて、炭火も良い塩梅なって来たので、まずは椎茸から始まって、長ネギと進みます。長ネギは、勿体無いけど表面が真っ黒になるまで焦がして、焦げた皮を残して中だけ食べる。これが甘くて美味しく好きなのです


 お次はサンマ、これ、おまわりさんに注意された事もあります。その後、手羽中、ばら肉と進みました。


 珍しく2時間ほどかけた夕食でした。 もちろん食後のコーヒーは美味い。 気温もマイナス二桁になってないから、楽勝の湖?


 炭火を見ながらラジオを聴いていた。丁度、3月11日は震災5年目だから、震災関連のお話ばかりです。こういう日にキャンプ出来る幸せを感じます。

 ここでのキャンプ回数を考えてみる。100回は来てないだろうけど50回じゃきかないはずです。いろんな事がありました。20年前の全盛期では、平日休みの友人が多かったので、その友人に合わせて、ここから会社に行った事もありました。 朝会社に行くと体中が焚き火臭いから同僚に注意されたりしたものです。対策としてタイべックスを着たら臭いも薄くなり、注意される事もなくなったが、テントで睡眠中、脱いだタイベックスをバイクに置いていたら動物にタイベックスを盗まれた事がありました。焼肉等の匂いがタイベックスに付着し、それを勘違いしたキツネ等が盗んだものだと推測した。それ以来、食べ物の匂いのするものは、すべてテントから離す事にしました。特に食べ物はラップなどで包み、一番遠くに置いたり木に吊るしたりした。 (現在も一番外側の服は安いヤッケの上下を着てテントから離した所に置いてる)

 また、動物は火を怖がると言われてたが、経験上、動物が火を恐れるというのは正解ではないみたい。子供の時、落ち葉焚きしてても普通に山鳥やキツネが寄ってきたし、キャンプ時も火を焚いた所へキツネが寄って来ていました。もしかしたら火が怖い(キライ)かもしれないが、それよりも火のそばにある焼肉等の食べ物の魅力の方が強かったのかも知れません。つまり、『食糧>火』という事でしょう。

 もう一つ思うのが、煙の効果です。昔から熊はタバコの臭いが嫌いと言われてました。これは、自然界にない臭いだからでしょう。となると、火に伴う煙も動物が嫌う要素になる一因はあると思う。そういう意味では、一晩中火を絶やさないのも効果がある?あくまでも食べ物の匂いが無いという状態でですけどね。また、自然界には無い音として、ラジオをかけておくのも効果あるでしょう。それは、山菜採りの熊対策でも言われている事ですから周知の通り。


 そんな事を思い出したり、考えたりして、焚き火(炭火)だけでしばらく過ごした。五感である目を見えなくする闇は、何が出るか分からないから怖い。古来から、それを掃ってくれる火は人間にとってありがたいものです。ここでは、馬、鹿、キツネ、タヌキ、カモ類、イタチの仲間、ネズミの仲間、モグラの仲間、爬虫類、昆虫多種、そして熊は(朝起きたら足跡があって引き換えしてた)一回だけ。 

 キャンプの方は、時々雪が降るから21時頃テントに入って24時頃就寝。日が長くなってきたから6時には明るくなってました。


 朝食は、ドライカレーね。 食後はコーヒーを飲みながらボーっとしてた。このボーっとする時間が良いのです。


 さて、夜半に降った雪を払って、メイトの暖気運転を開始します。 20分程で撤収作業が完了して、今回のキャンプは終わり。


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