八木沢林道

 函館市内から道道83号線を通り、旧南茅部町国道278号線(バイパス)と合流し右折、4.6km程で旧国道278線と合流する。ここ尾札部地区に流れる八木川を遡る林道『八木沢林道』が今回のお話です。 昔は立派な林道だったが、最近は完全な廃道との情報を頂いております。今回は、百聞は一見にしかずというわけで、実走してみる事にしました。上手くすれば八木沢林道から約10kmで、古部丸山⇔毛無山間の林道へ抜けられるが・・・ 結論から先に書くと途中で道が無くなって自然に帰っていました。さて、そこまでのお話を始めましょうか。

   

11月も中旬に入り、朝晩の冷え込みも一段と厳しくなっています。我が家から八木沢林道入り口までは約1時間、早朝の気温0℃寒くないと言えば嘘になる気温です。途中、朝靄に煙る矢別ダムで小休止して、現場集合の約束をしておいたRH250さんと合流後、八木沢林道を目指す。 舗装路が切れて、ここからダート開始。『地図@』

 
ダートに入ると『治山環境の森』1.4kmの道標が立っていた。何があるんでしょう?林道は八木川沿いに続いており、綺麗な渓相を楽しませてくれます。

 
この分岐、八木沢林道は直進だが、右折方向には広場があり遊歩道が続いていた。『地図A』 ここが治山の森らしい。少しだけ見学してから八木沢林道へ進む。

 
八木沢林道起点。この林道は場所によってトラック同士がすれ違えるほど幅員があったが、今は見る影もないみたい。しかし、ガードレールや法面のコンクリート、そしてカーブミラーは健在だった。


林道の状態は良く(まだね)川渡りしなければならない箇所は、川底にコンクリートが敷かれていた。こんな渡河が6箇所?もありました。『地図B界隈』

 
だんだん道が怪しくなってきた。途中、何箇所か古い橋を渡るのだが、橋の上にも細い木が生えているし、林道の真ん中にも太さ3cm程の木が生えている。ここ数年、四輪車が通っていないという事なんでしょう。


そんな廃道状態の林道脇に流れる八木川は、以前行った黄金の滝並の美しい渓相です。夏、魚撮りに来てみようと思ったね。

 
川の景色、廃道と交互に楽しみながら?前進します。


とにかく水の綺麗な川なので、かなり綺麗な水中写真が撮れそうだし、林道から見えない部分も期待出来そうです。

 
しばらく進むと、廃道お約束である崩落個所が現れた。経験上、崩落個所から先は林道の荒れ具合が酷くなる。案の定、荒れ方が酷くなり、倒木切断用ノコギリの出番となりました。 さらに進むと、八木沢支線林道の標識が現れたけど、どこまでが本線の八木沢林道だったのか分からなかった。『地図C』

 
林道上は2cm程の木が普通に生えているようになり、手で退けながら徒歩程度のスピードで前進します。もう橋も架かっておらず、走行ラインを下見して渡河する。

 
ここからはこぶし大の石がゴロゴロしてるし、雨裂のよるクラックが枯草に隠れて見えにくい状態。しかも、上り坂と来たもんだからかなり手を焼きながら進む。細い木々が行く手を塞いでいるわけですから、下ばかり見るわけにも行きません。

 
悪戦苦闘しながら進んでいると、決定的な路面崩落個所が現れた。画像左上をご覧下さい。右側が崩落しているでしょ?ここが道なんです。崩落個所の到着点側からが見たのが画像右上です。左上に小さくバイクが見えています。さて、しばしRH250さんと作戦会議。一人だったら引き換えしを考えるが、今回は二人という事もあり決行となった。案ずるより産むが易しで、崩落個所を高巻して通過出来た。『地図D地点』

とはいえ、基本、普通の林道装備だと二人でも三人でも私は引き換えしを選んだでしょう。しかし、今回は奥の手を持参しているから、ケガさえしなければ10mぐらいの谷底にバイクを落としても大丈夫?なんです。その奥の手というのは、ハンドウインチとロープ(10m×2)そして、ロリップとカラビナ各種、それとスコップです。やろうと思えば、木と木にロープを張ってロープウェーみたいに向こう側へバイクを渡す事も可能です。ただ、セッティングに時間がかかりすぎるのが欠点で、一人で林道(廃道)探訪時に非常用に持って行く保険みたいなもので、テスト時以外使った事はほぼありませんが・・・。

 
経験とは恐ろしいもので、この先も完全な廃道状態を予想していたが、それが見事に的中してしまった。林道と思われる箇所は倒木だらけで、林道から外れて藪漕ぎ走行して、本線へ戻るなんて事をする。(画像左上) そこから先も道らしき場所を藪を漕いで進む。(一応、GPSで確認すると、バイクの現在位置が林道上にあるから間違ってはいない)しかし『地図E』地点で林道崩落を起こしており、辺りをどう見回してもその先に続いている道がありません。結局、ここで引き返しとなりました。国道から約9.0km、出口(古部丸山へ通じる分岐)まで、わずか1km地点でした。
  


戻る   HOME   2011年11月13日

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